Pluto

夜明けを

Prince

「孤独が君を蝕むなら
私がそれを食べてあげます」
そう言いたいところだけれど
こればかりは仕様もありません
隠しようがない
貴方の笑った顔に
もう透けて見えているの
貴方の震えた瞳が
なんども私に訴えている

ひと一人助けられないヒーローが
私の永遠のアイドルだった
貴方が摘み取ったダンデライオン
種を宿して飛んでいく
そんな夢を見た

君の抱えた孤独が
君を今日まで歩かせました
生かしました
そう言うと少しくらいは
納得できるでしょうか

どこにも行かないまま
どこにも逃げられないと嘯く
どこにも行かないままで
今日の陽が暮れていく

歩く足は確かにあるけれど
私は眼を閉じてひたすら
遠くの景色を夢想するだけ
お空に輝くお星様だって
幻なのだから

孤独が君を強くした
大変お腹が空きました
君の声が聞こえた気がしました
君の笑顔に会いたいです

ひと一人救えないくせに
世界平和を謳うヒーロー
そんな子供みたいな夢を
本気で信じて
振り向きもしない
散っていくのね
私の王子さま
叶いもしない願いばかりが
もしかしたらの希望も持たず
可能性に賭けることもせず
怠け始めたら
君は大人になった証
どうか夢を見て
愛しい子
どうか私を愛して
ダーリン