Pluto

夜明けを

キッチン

ひとを好きになれること
その相手があなただったこと
それをいまは誇らしく思うの
可笑しいかな、
可笑しいかもね
それでも、私には
涙がでるほど嬉しかったの

本当にこころが感じた時を
汚したくない
例えば真っさらな雪を
靴についた土が濁らすように
よりカラフルにと見栄えを狙い
着色したお菓子のように
嘘の美しさでコーティングしないで
例えば色を重ねるたびに
その絵の世界が豊かになるように
寝かせれば寝かせるほど
味が染み込むご飯のように
繰り返し繰り返し
反芻するの

悲しかったこと、辛かったこと
それが忘れたい類のものであったとして
ひとつのこらず、留めておきたい
貴方とのことなら
それがすべて

私とあなたで綴る
お手製のダイアリー
いつの日か
知らない誰かの目に触れて
何か新しいものが生まれたら
それはまた
きっと素敵なことだよね